Ua値とはC値とは
Ua値 (W/m2K) :ユーエー値
Ua値は外皮平均熱貫流率といって、外皮面積あたりに損失する熱量を表しています。外皮面積とは、屋根・外壁・1階床または基礎といった外気に接する部分を合計した面積です。Ua値が小さい方が熱が伝わりにくいということ。外皮部分から熱が伝わりにくい構成とした高断熱の家は、国の基準の家より格段に少ないエネルギーで暮らすことができます。
C値 (cm2/m2) :シー値
C値は相当すき間面積(cm2/m2)といって、建てものの延床面積あたりのすき間の面積を表しています。120㎡の家でc値0.5であれば、60cm2=スマホの画面程度の隙間が家全体であるということですね。
C値の小ささを求める理由は、漏気による熱損失を防ぐため、計画した換気を行うためです。これは設計ではなく、実際に測定器を使い、現場で測定します。つまり一棟ごとに違いますし、計画通りに行くかは施工次第というところでもあります。もちろん、設計上気密が取りやすい納まりを意識していなければ、高い数字は出しにくいといえるでしょう。
Ua値C値の国の基準は
Ua値C値はどちらも値が小さいほど性能が良いとされます。まずは国の基準を見てみましょう。
Ua値0.87(5地域、鳥取市など)
国の現行基準(H28省エネ基準)では、日本全国を気象条件ごとに1~8の地域区分に分けていて、Ua値を設定しています。わたしたちの暮らす鳥取県智頭町や鳥取市、岡山県西粟倉村、奈義町、津山市といった中国山地周辺は5地域に該当します。先日義務化は見送られましたが、次世代省エネ基準では、5地域であるとUa値0.87という数字が設定されていました。
※5地域は北は福島県~南は宮崎県まで存在するため、感覚的に同じ条件で扱って良いのかという感じもしますが・・・
C値の基準なし
国の現行基準(H28省エネ基準)ではC値の最低基準はありません。H11(1999年)に一度、北海道と東北の一部にC値2.0、それ以南C値5.0という基準が設けられましたが、H21(2009年)の改正で消滅してしまいました。
「暖かい家」なら目指すべきUa値は0.34(鳥取)
寒い暖かいの感じかたは人によって異なるため一概に言えませんが、ある程度エネルギーを使わずに「暖かい家」といえるのは、エアコン1台による全館暖房が狙える概ねHEAT20のG2レベル、鳥取県や岡山北部ではUa値0.34が目安になると考えます。(HEAT20について詳しくは2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会を見てみてください)
設備を使えば、家の性能が低くてもなんとなく暖かく出来ますが、光熱費の増加分で、G2レベルと長期優良住宅相当では、20年ほどでトータルコストが逆転すると試算しています。
コストパフォーマンスも良い
Ua値0.34に必要な断熱材は、ウッドファイバー55K(またはロックウール60K)換算で、
- 天井:400mm
- 壁:充填100mm+付加断熱100mmの計200mm
- 窓:樹脂トリプルガラス
で達成可能です。これ以上を目指すと断熱材をより高性能で高価な材料に交換したり、壁厚を増やす必要があり、コストに跳ね返るため、Ua値0.34はコストパフォーマンスとしても良い水準だとわたしたちは考えています。
C値は3種換気で1.0以下、1種換気なら0.3以下
C値については、換気や熱損失を考えると1.0が目安です。これは3種換気(自然吸気→機械排気)でも、1種換気(機械吸気→機械排気)を採用しても同じです。
C値が2以上になれば、家にあるあらゆる隙間から室内に給気されてしまい、排気ファンを回しても十分に室内の空気を引っ張ることが出来ません。
また1種換気を採用した場合、給気は熱交換換気型の給気口から行わなければ暖めることが出来ないため採用する意味がありませんが、C値1.0では換気口以外からの給気が、条件によっては半分以上になってしまうため、性能を十分に発揮させようとすれば、C値0.3程度は欲しいところです。